自然分娩とは何か?
 産婦に過度の痛みを我慢させることが自然ではなく、より安全なお産に母児を導くために適切な医療を施してあげる事が、現代における自然分娩ではないでしょうか。
 お産という自然現象にも、自然だけでは解決できない予期せぬ問題(病気)が多く潜んでいるのです。これらの問題を未然に防ぐための人間の智恵、それが科学なのです。
 自然の長所を生かして短所を補う、すなわち自然と科学がバランス良く調和して始めて、そこに母児にとって安全で満足いくお産への道が見えてくるのです。
 お産という自然現象のなかにも、自然と不自然が混在していることを忘れてはいけません。自然界において、雨が降りすぎたら洪水となり、極端に降らなければ渇水となります。
 程々の雨、そして程々に“お産の痛み”を感じた方が、母児にとってより安全で満足いくお産になると思うのです。
お産を科学する、その心が母児を真の自然分娩へと導き、安全で満足いくお産を可能にすると思うのです。
久保田史郎
5/5/2003