医療法人KMC 久保田産婦人科
久保田 史郎院長
福岡市中央区平尾2-12-18
TEL:092-531-7530
〈スタッフ〉医師:非常勤2人
実績・成績
年間分娩数400〜500例、そのうち和痛分娩94%、帝王切開率6%、新生児重症黄疸の発症率0.1%。
特色
お産に予防医学を導入。「安産で痛くない満足するお産」を設計
 麻酔科の専門医である久保田院長は、陰部神経ブロックによる「和痛分娩」を導入。この方法は産痛のもっとも強い分娩第2期の腰痛や会陰部の痛みを和らげると同時に、産道の筋肉を弛緩させるため赤ちゃんはよりスムーズに娩出可能となる。妊婦の栄養指導や妊婦水泳によって太りすぎの赤ちゃんを減らし、娩出力(子宮収縮+腹圧)を高めることで、より安全な満足いくお産をめざしている。
治療
 久保田院長は安産のために、第一に妊婦の生活・栄養指導による生活習慣の改善をめざし、便秘や肥満をなくして早産(未熟児)・巨大児の発生予防に力を入れている。同院では、出産体重が3500g以上の「難産域」の新生児は9%と全国平均20.5%の半分以下。難産の指標となる帝王切開率は全国平均12%に対し6%。帝王切開の適応は骨盤位(初産)・反復帝王切開がおもで、難産・胎児仮死にともなう緊急帝王切開は栄養指導によって4.6%から2.3%に減少。さらに妊婦水泳を積極的に取り入れることにより、心肺機能および娩出力(腹圧)を増し、分娩時間の短縮を実現。妊娠中の腰痛や便秘、下肢静脈瘤、浮腫などを改善させ、妊娠生活をより楽しく、自信をもってお産に望むことができるように設計している。通常300〜400人にひとりの割合で発症する常位胎盤早期剥離は、約3500人の妊婦水泳群からはひとりも見られない。 
 出産時には陰部神経ブロックを積極的に施行。硬膜外麻酔時にときおりみられる低血圧や微弱陣痛などの副作用はなく、もっとも痛い産道や会陰部の鎮痛効果と筋弛緩作用に優れている。痛みをとるだけではなく、安産効果としての役割も大きい。過度の産痛にともなう産婦の「過呼吸」は子宮血流量を減少させ、胎児に低酸素血症をもたらすが、痛みの治療によってそれらを改善。過去10年間において4000件を超えるすべての出産に陰部神経ブロックを実施したが、局麻剤中毒などの合併症は0%。
 出産直後の赤ちゃんを2時間保育器内(34℃→30℃)に収容し、低体温を防止することによって生後1時間目からの超早期栄養を可能とした。その結果、栄養不足が改善され、発達障害児の原因である低血糖症や重症黄疸が発症しなくなった。さらに、同院長は、原因不明の乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防法として、「着せすぎ」による衣服内の高温環境が原因と新仮説を発表。赤ちゃんの安全を積極的に呼びかけている。
久保田院長からのアドバイス
肥満、巨大児、体力不足などの難産因子を防止し、痛みに対する不安を取り払うことが安産を迎えるための秘訣です。「安産のための設計図」を描き、検診を通して胎児の様子や成長を知りましょう。お腹の赤ちゃんとともに妊娠生活を楽しく過ごすことが母になる心構えを育ててくれるものと思います。