無痛分娩の種類
 無痛分娩の方法には全身麻酔法と局所麻酔法があります。両者の違いは、意識の有無、筋弛緩の有無、麻酔範囲(全身、局部)など、使用する薬剤と方法の違いによって、麻酔作用は全く異なります。
全身麻酔法
 産婦の意識低下、赤ちゃんの呼吸抑制が見られるの等の理由から、全身麻酔法は児にとって「不利益」であることが知られています。
長所:手技が簡単
短所:産婦の意識低下
分娩時には、しばしば“嘔吐”がみられます。意識がないために胃内容物を肺へ誤飲する危険性があり、そのため麻酔開始の10時間以上も前から絶飲食するなど計画分娩になります。
児娩出の際、意識が無いために“イキミ”即ち、腹圧をかけることが不可能なため、吸引分娩になる可能性が多くなります。
異常出血など予期せぬリスクが多い分娩において、呼吸を抑制し、意識をなくす全身麻酔法は不利益です。
産婦は意識がないので、児娩出の実感を得られないばかりか、“産声”を聞けないため出産に対する満足感が少ない。
 産婦の意識を低下させる全身麻酔法は、上記の理由から通常のお産には不都合(危険)であることがわかりました。その為、意識をとらない局所麻酔による無痛分娩法が我国でも次第に増えはじめてきました。