“超早期栄養”がなぜ重要なのか?
 当院では開業(1983年)以来、新生児早期の栄養不足による合併症を未然に防ぐために、超早期混合栄養法を行ってまいりました。分娩直後の低体温予防(保温)がもたらした出生後1時間目からの超早期混合栄養法の確立は、低血糖症の発生を防ぐのみならず、栄養摂取に伴う遊離脂肪酸の低下、そして、胎便排泄促進をもたらしました。その結果、重症黄疸を激減させビタミンK欠乏性出血による頭蓋内出血など、主に栄養不足が原因となる予防可能な障害児発生の防止に重要な役割を果たしてきたものと考えられます。当院で出生した約8000人のすべての赤ちゃんにおいて、中枢神経系(脳)に重篤な後遺症を残すような重症なトラブル(低血糖症・核黄疸・頭蓋内出血)や壊死性腸炎・胎便性腸閉塞などの消化管の異常が発生していないことから、当院の超早期混合栄養法は新生児早期の哺育法において医学的適応であることを裏づけしているのです。